有馬公認会計士・税理士事務所運営
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取引相場のない株式の評価上の区分のうち、「特定の評価会社の株式」とは、評価会社の資産の保有状況、営業の状態等に応じて定めた次に掲げる評価会社の株式をいい、その株式の価額は、次に掲げる区分に従い、それぞれ次に掲げるところによります。
なお、評価会社が、次の(2)又は(3)に該当する評価会社かどうかを判定する場合において、課税時期前において合理的な理由もなく評価会社の資産構成に変動があり、その変動が次の(2)又は(3)に該当する評価会社と判定されることを免れるためのものと認められるときは、その変動はなかったものとして当該判定を行うものとします。
(1) 比準要素数1の会社の株式
(2) 株式等保有特定会社の株式
(3) 土地保有特定会社の株式
(4) 開業後3年未満の会社等の株式
(5) 開業前又は休業中の会社の株式
(6) 清算中の会社の株式
また、評価会社によっては、これらの会社の条件に複数該当するケースもあり得ますが、その場合は上の数字(1)から(6)のうち数字が大きいほうを優先します。
例えば(1)比準要素数1の会社の株式に該当し、(3)土地保有特定会社にも該当する場合は当該評価会社は、(3)土地保有特定会社として評価を行います。
比準要素数1の会社とは、「1株当たりの配当金額」、「1株当たりの利益金額」及び「1株当たりの純資産価額(帳簿価額によって計算した金額)」のそれぞれの金額のうち、いずれか2が0であり、かつ、直前々期末を基準にしてそれぞれの金額を計算した場合に、それぞれの金額のうち、いずれか2以上が0である評価会社((2)株式等保有特定会社の株式から(6)清算中の会社の株式に該当するものを除く。)をいいます。
比準要素数1の会社の株式の価額は、純資産価額方式によって評価します。なお、この場合においても一般の評価会社の場合と同様に、議決権の割合が50%以下である同族関係者グループに属する株主(同族株主がいない会社の株主のうち15%以上の議決権割合を有する同族関係者に属する株主を含む)に関しては算定された価額の80%評価をすることとされています。
ただし、比準要素数1の会社の株式の価額は、納税者の選択によりLの割合を0.25として純資産価額方式と類似業種比準価額方式との併用方式により計算した金額で評価することができます。
算式にすると
類似業種比準価額×0.25+純資産価額×(1-0.25)
となります。併用方式を選択した場合における算式に出てくる純資産価額の計算においても議決権の割合が50%以下である同族関係者グループに属する株主(同族株主がいない会社の株主のうち15%以上の議決権割合を有する同族関係者に属する株主を含む)に関しては算定された価額の80%評価をすることとされています。
なお、比準要素数1の会社についても同族株主以外の株主等、いわゆる少数株主については、一般の評価会社同様に配当還元価額で評価するものとされています。
株式等保有特定会社とは、課税時期において評価会社の有する各資産を財産評価基本通達に定めるところにより評価した価額の合計額のうちに占める株式、出資及び新株予約権付社債(会社法第2条((定義))第22号に規定する新株予約権付社債をいう。)(「株式等」といいます)の価額の合計額の割合が50%以上である評価会社((3) 土地保有特定会社の株式から(6)清算中の会社の株式に該当するものを除く。)をいいます。
株式等保有特定会社の株式の価額は、純資産価額方式によって評価します。なお、この場合においても一般の評価会社の場合と同様に、議決権の割合が50%以下である同族関係者グループに属する株主(同族株主がいない会社の株主のうち15%以上の議決権割合を有する同族関係者に属する株主を含む)に関しては算定された価額の80%評価をすることとされています。
ただし、株式等保有特定会社の会社の株式の価額は、納税者の選択により次のアとイの合計金額により評価することができます(「S1+S2方式」といいます)。
ア.S1の金額・・・株式等保有特定会社が所有する株式等と株式等の受取配当金がなかったとした場合の同社株式の原則的評価方式による評価額
①類似業種比準価額で計算する場合
上記算式中「A」、「」、「」、「」、「B」、「C」及び「D」は、180((類似業種比準価額))の定めによることとされており、それを掲載すると以下のような内容になります。
「A」=類似業種の株価
「」=評価会社の1株当たりの配当金額
「」=評価会社の1株当たりの利益金額
「」=評価会社の1株当たりの純資産価額(帳簿価額によって計算した金額)
「B」=課税時期の属する年の類似業種の1株当たりの配当金額
「C」=課税時期の属する年の類似業種の1株当たりの年利益金額
「D」=課税時期の属する年の類似業種の1株当たりの純資産価額(帳簿価額によって計算した金額)
(注) 類似業種比準価額の計算に当たっては、B、C及びDの金額は183≪評価会社の1株当たりの配当金額等の計算≫により1株当たりの資本金等の額を50円とした場合の金額として計算することになります。
また、「」、「」及び「」は、それぞれ次のような内容になります。
「」=「」×受取配当金収受割合
「」=「」×受取配当金収受割合
「」=以下の①+➁ ただし、「」は「」を限度とします。
①=「」×株式等の帳簿価額の合計額÷総資産価額(帳簿価額)
➁=利益積立金÷直前期末における発行済株式数(50円換算)×受取配当金収受割合
受取配当金収受割合=直前期末以前2年間の受取配当金の合計額/(直前期末以前2年間の受取配当金の合計額+直前期末以前2年間の営業利益の金額の合計額)
ただし、受取配当金収受割合は1以下とします。
上記算式中の「0.7」は、178≪取引相場のない株式の評価上の区分≫に定める中会社の株式を評価する場合には「0.6」、同項に定める小会社の株式を評価する場合には「0.5」として計算します。
➁純資産価額で計算する場合
株式等保有特定会社の各資産から株式等を除いて計算した純資産価額
イ S2の計算
株式等保有特定会社が所有する株式等について財産評価基本通達の定めに従って評価した価額(評価差額に対する法人税等相当額を控除します)
なお、株式等保有特定会社についても同族株主以外の株主等、いわゆる少数株主については、一般の評価会社同様に配当還元価額で評価するものとされています。
①大会社に区分される会社で、その有する各資産を財産評価基本通達の定めるところにより評価した価額の合計額のうちに占める土地等の価額の合計額の割合(「土地保有割合」といいます。)が70%以上である会社。また、小会社に区分される会社(帳簿価額によって計算した金額が、評価会社の事業が卸売業に該当する場合には20億円以上、卸売業以外に該当する場合には15億円以上のもの)を含みます。
➁中会社に区分される会社で、土地保有割合が90%以上である会社。また、小会社に区分される会社であって、卸売業に該当する場合には7,000万円以上、小売・サービス業に該当する場合には4,000万円以上、卸売業、小売・サービス業以外に該当する場合には5,000万円以上で、上記①に該当しないものを含みます。
開業後3年未満の会社等とは、次に掲げる会社をいいます。
①開業後3年未満であるもの
➁財産評価基本通達183(1)(2)(3)に定める「1株当たりの配当金額」、「1株当たりの利益金額」及び「1株当たりの純資産価額(帳簿価額によって計算した金額)」のそれぞれの金額がいずれも0であるもの。配当金額及び利益金額については、直前期末以前2年間の実績を反映して判定することになります。
土地保有特定会社又は開業後3年未満の会社等は、純資産価額方式によって評価します。なお、この場合においても一般の評価会社の場合と同様に、議決権の割合が50%以下である同族関係者グループに属する株主(同族株主がいない会社の株主のうち15%以上の議決権割合を有する同族関係者に属する株主を含む)に関しては算定された価額の80%評価をすることとされています。
土地保有特定会社又は開業後3年未満の会社等についても同族株主以外の株主等、いわゆる少数株主については、一般の評価会社同様に配当還元価額で評価するものとされています。
評価区分 | 判定基準 | 評価方法 |
1 比準要素数1の会社 | 直前期末で比準要素のうちいずれか2つが零で、かつ、直前々期末で比準要素のうちいずれか2つが零である会社 | 純資産価額方式(Lの割合を0.25とする類似業種比準価額方式を選択可) |
2 株式等保有特定会社 | 株式等の価額/総資産価額≧50% | 純資産価額方式(S1+S2方式選択可) |
3 土地保有特定会社 | 大会社 土地等の価額/総資産価額≧70%
中会社 土地等の価額/総資産価額≧90%
小会社 大会社の基準に該当する総資産価額のある会社は、総資産に占める土地等の価額の割合が70%以上
中会社の基準に該当する総資産価額のある会社は、総資産に占める土地等の価額の割合が90%以上
上記以外の小会社については、対象外 | 純資産価額方式 |
4 開業後3年未満の会社等 | ・開業後3年未満の会社 ・直前期末を基準とした比準要素がいずれも零の会社 | 純資産価額方式 |
5 開業前又は休業中の会社 | 開業前又は休業中の会社 | 純資産価額方式 |
6 清算中の会社 | 清算中の会社 | 清算分配見込額に基づき評価 |