有馬公認会計士・税理士事務所運営
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相続税の納税義務者は、相続又は遺贈により財産を取得した個人ですが、人格のない社団若しくは財団又は法人も個人とみなされて相続税の納税義務者となる場合があります。
個人の相続税の納税者は、住所や国籍等で以下のように区分され、区分によって相続税が課税される資産の範囲が異なります。
なお、以下の者は日本に住所があるものと扱われます。
(1) 学術、技芸の習得のため留学している者で日本にいる者の扶養親族となっている者
(2) 国外において勤務その他の人的役務の提供をする者で国外における当該人的役務の提供が短期間(おおむね1年以内である場合をいうものとする。)であると見込まれる者(その者の配偶者その他生計を一にする親族でその者と同居している者を含む。)→いわゆる1年以内の海外出張者とその配偶者、生計一親族のことです。
区分 | 納税義務者の内容 |
---|---|
居住無制限納税義務者 | 相続又は遺贈により財産を取得した次に掲げる者であつて、当該財産を取得した時において日本国にに住所を有するもの イ 一時居住者でない個人 ロ 一時居住者である個人(当該相続又は遺贈に係る被相続人(遺贈をした者を含む。以下同じ。)が一時居住被相続人又は非居住被相続人である場合を除く) |
非居住無制限納税義務者 | 相続又は遺贈により財産を取得した次に掲げる者であつて、当該財産を取得した時において日本国内に住所を有しないもの イ 日本国籍を有する個人であつて次に掲げるもの (1) 当該相続又は遺贈に係る相続の開始前十年以内のいずれかの時において日本国内に住所を有していたことがあるもの (2) 当該相続又は遺贈に係る相続の開始前十年以内のいずれの時においても日本国内に住所を有していたことがないもの(当該相続又は遺贈に係る被相続人が一時居住被相続人又は非居住被相続人である場合を除く。) ロ 日本国籍を有しない個人(当該相続又は遺贈に係る被相続人が一時居住被相続人又は非居住被相続人である場合を除く) |
制限納税義務者 | 相続又は遺贈により日本国内にある財産を取得した個人で
(1)その財産を取得した時において日本国内に住所を有するもの(居住無制限納税義務者を除く。)→居住制限納税義務者といいます (2)日本国内に住所を有さない者(非居住無制限納税義務者を除く)→非居住制限納税義務者といいます |
特定納税義務者 | 贈与により相続時精算課税の適用を受ける財産を取得した個人(居住無制限納税義務者及び制限納税義務者を除く) |
なお、定義に出てくる一時居住者、一時居住被相続人、非居住被相続人の定義は以下の通りです。
上記の個人の居住無制限納税義務者及び居住無制限納税義務者と「無制限納税義務者」が入っている者は、国内財産、国外財産、相続時精算課税適用財産すべてが課税資産の範囲に含まれます。
一方、制限納税義務者については、国外財産が課税資産の範囲から外れ、課税資産は国内財産、相続時精算課税適用財産のみとなります。
最後の特定納税義務者は、相続時精算課税適用財産のみが課税財産になります。
相続税法では、債務控除、配偶者の税額軽減、税額控除などの定めがありますが、納税義務者の種類によって適用の有無が異なる場合もあり、表にまとめると以下のようになります。
区分 | 居住無制限 納税義務者 | 居住無制限 納税義務者 | 居住制限 納税義務者 | 非居住制限 納税義務者 |
---|---|---|---|---|
債務控除 | 適用あり | 適用あり | 一部適用あり | 一部適用あり |
未成年者控除 | 適用あり | 適用あり | 適用なし | 適用なし |
障害者控除 | 適用あり | 適用なし | 適用なし | 適用なし |
外国税額控除 | 適用あり | 適用あり | 適用なし | 適用なし |
小規模宅地等の特例 | 適用あり | 適用あり | 適用あり | 適用あり |
ただし、小規模宅地等の特例には、制限納税義務者で日本国籍を有しない場合、適用できない場合があります。